さよならUNO75
さよなら小さな魂
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ウーノが貰われて行きました。

僕にとってはたったの3年半の付き合いでしたが、とてもとても長く感じます。それだけ充実していたんだと思います。車というものに直面させられ多くを学ばせてもらった車でもありました。もちろん初めての車だったわけではなく、それまでは日本車を乗り継いで来たわけですが、その頃は今から思うと空恐ろしくなるくらい考えないで乗っていたと思います。
でも車をぶつけたのも、このウーノが初めてだったんですけどね。

でもやっぱり、これだけ深く付き合った車だと、別れがつらいものなんですね。できることなら新たに駐車場を借りて廃車してでもとっておきたいところなんですが、経済的にそれも許されないし、しかたなく手放すことにしたわけでした。

これまでの車も、シビック〜マーチ〜フェスティバとずっとリッターカークラスで乗ってきて、車なんかただの移動手段程度にしか考えていなかったせいか車のメカニズムにも操作にも関心というものを喚起されることもなく、今までずいぶん損をしていたなとも思うんですが、それを取り戻すに十分な経験を、この車は僕に与えてくれたわけです。

この車を買った店との関係は必ずしも良かったとは言えません。
でも、そのお陰で自分で整備や部品交換することも憶えましたし、工具も一式揃ってしまいました。
それどころか自分で部品交換をすることにより、その車の持つポテンシャルに初めて説得力を持つことができるんだということも知りました。さらに、そんな素人芸をずっと超えた整備士さんが存在することも知りましたし、経験の大切さ、いわゆるソフトにお金を払う大事さというのも実感できたような気がします。

なお、手放すに当たっては多少紆余曲折もありましたが、結果的にラテン系の車の経験値の高い人(最終デルタ乗り)が引き取ってくれることになり、当面スクラップになることもなさそうなので、今ではとてもほっとしています。
車検も通すようですから、あと2年はこの世に現存できるでしょうしね。
いえ、すぐなにかの事情で廃車の憂き目にあってもそれは別に構わないんですけどね。
引き渡したあと、その人が、

『よく曲がるしSOHCとは思えない位良くエンジン回るよね』

と、まさしくツボにはまった感想をくれたことがなにより嬉しいのとともに、まじで感謝の気持ちでいっぱいになりました。
デルタ乗ってる人にそう言わせるんですから、ウーノすごい、説得力あるでしょ?
軽い車重に頑丈で力強いエンジン、しっかりした足周りのお陰で手に取るようにわかる挙動、地味なクセにいつまでたっても飽きのこないデザイン、いい車なんだから、ほんと。

そんなウーノですから、ずっと忘れられない車になるんだと思うし、いずれまたウーノに乗ってしまうなんてことも無いとは限りません。もうこれからは、ほんとの意味でのベーシックカーなんか出てこないと思いますし、今だけしか乗ることの出来ない車に今出会えたことの偶然に感謝しながら、地味イタのウーノのページを終わりにしたいと思います。
今までこのウーノのページを読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

それから、僭越ながら将来イタリアンベーシックに手を出そうと思ってる方にひとこと。
どうかモディファイなんか考えずそのまんま乗ってください。だってこの日本で、血と汗と大金で培われたデータに裏付けられた経験値の高いモディファイを享受出来るのは、ランチャ・デルタくらいでしょ?
あとタイヤはヘボいヤツとまでは言わないけど、限界の高すぎない滑るヤツでロールさせて曲がってね。
そうじゃないとイタ車の魂が抜けてしまうみたいですよ〜(笑)

(2000,11,1)


Fiat Uno75SX

年式・・・・・・・・・・・・'91年式
走行距離・・・・・・・・・・11万Km
色・・・・・・・・・・・・・ランチャブルー
エンジン・・・・・・・・・・SOHC(ロッカーアーム無し)1498cc
ミッション・・・・・・・・・マニュアル5段
燃費・・・・・・・・・・・・リッター10Km前後
整備履歴・・・・・・・・・・
 調整式コニショック、ブレンボディスク・ドラム(交換から3万キロ)
 ブレーキマスターシリンダー交換キャリパーOH(9万5千キロ時)
 燃料タンクリペア済み(過去1万キロで始動不良、エンスト無し)
 スーパースプリントマフラー(交換から2千キロ)
 クロモドラホイール